何が効いたかがわかる、商品シーディング戦略
商品シーディングとは、有償の投稿を合意せずに、クリエイターへ商品を無料で送ることです。投稿する人もいれば、ほとんどはしません。良い戦略とは、誰にキットを送り、何を期待し、どうやって結果を知るかを事前に決めておくことです。
商品シーディングとは何か、何ではないか
シーディングは、見返りを求めないギフトです。ブランドに合うクリエイターを選び、商品を送り、紹介したくなるほど気に入ってもらえることを期待します。契約も、締め切りも、投稿の保証もありません。だからこそ安く済み、だからこそ計画が難しいのです。
有償コラボではありません。成果物、日程、利用権を合意するなら、それは有償キャンペーンであり、そのように扱うべきです。シーディングが最も効果を発揮するのは、クリエイター施策の広くて低コストな入り口として使うとき。多くの人に送り、本当に商品を気に入ってくれる人を見極め、その人たちに報酬を払って依頼します。
数字は厳しいものです。マーケター 305 名を対象にした Traackr の 2023 年のシーディング調査では、61% が「商品を受け取ったクリエイターのうち、実際に投稿するのは半数未満」と回答しています。そこで以下の戦略は、ひとつの考え方を軸にしています。投稿率は低いものと想定し、正直に測ること。
1. 発送ごとに目標をひとつに絞る
「認知拡大」では曖昧すぎて、何の舵取りにもなりません。発送の波ごとに次のどれかをひとつ選び、発送前に書き留めておきましょう。
- コンテンツの量。クリエイターが商品をどう語るかを知るために、商品の本物の動画をできるだけ多く集めたい。投稿数と投稿率を測ります。
- リーチ。特定のオーディエンスに商品を届けたい。実際に商品が映っている投稿の再生数を測ります。
- クリエイターの発掘。あとで報酬を払って依頼するクリエイターを見つけたい。頼まれずに投稿した人数と、その動画の質を測ります。
- 発売時の話題づくり。特定の 1 週間に投稿を集中させたい。その期間内の投稿数を測ります。
目標によって、その後のすべてが変わります。誰を選ぶか、いつ送るか、そして最後に何をもって「成功」とするか。
2. どのみち買いそうなクリエイターを選ぶ
投稿してくれるかどうかを最もよく予測するのは、フォロワー数ではなく相性です。すでに似た商品を使い、思い描いているような動画を投稿しているクリエイターは、自社カテゴリーを一度も紹介したことのない有名人よりも、はるかに高い確率で投稿します。
- 直近 10 本の動画を見ましょう。そもそも商品を紹介しているか?ギフトされた商品を投稿することはあるか、その際に開示しているか?
- フォーマットを確認しましょう。商品を画面に映してほしいなら、カメラに向かって話すだけのクリエイターは外します。
- 規模を組み合わせましょう。ナノ・マイクロクリエイターを中心に、少数の大きめのクリエイターを加えた波なら、リスクを分散できます。
- すでに自社商品を紹介しているクリエイターを探しましょう。これ以上ないほど温度の高いリストです。
発送前に聞きましょう。短い確認メッセージ(「新しい美容液をお送りしてもよいですか?投稿の義務はありません。」)は 1 日かかるだけで、もともと欲しくなかった人に送るはずだったキットを無駄にせずに済みます。ギフティングメールテンプレートに文例があります。
3. 撮影しやすいキットにする
クリエイターは、箱を開けて最初の 1 分で動画にする価値があるかを決めます。その 1 分を後押ししましょう。
- サンプルではなく現品サイズを送りましょう。サンプルが撮影されることはめったにありません。
- カメラ越しでもわかる商品にしましょう。ラベルがはっきり正面を向いていること、スマホの画面でも映える色であること。
- 短い手書きのメッセージを添えましょう。誰からか、なぜその人を選んだか、そして自社のアカウント名。ブリーフではありません。
- 希望はやんわり伝えましょう。「シェアしていただけるなら、タグを付けてもらえるとうれしいです」くらいなら問題ありません。必須の訴求ポイントを並べると、ギフトが無償の仕事に変わってしまいます。
どうしても伝えたいキーメッセージがあるなら、カード 1 枚に収めましょう。インフルエンサーブリーフテンプレートには、ギフト向けの簡易版があります。
4. クリエイターの計画に合わせてタイミングを決める
クリエイターはコンテンツを 1〜3 週間先まで計画しています。発売日に合わせて投稿してほしいなら、キットはその約 3 週間前に届くようにしましょう。大型セールや祝日の時期の到着は避けましょう。ほかの荷物で手一杯になっています。
一度に大量に送るのではなく、20〜50 名ずつの波に分けて送りましょう。波ごとに、相性、キット、メッセージについて何かがわかり、次の波で改善できます。
5. 到着から動画まで、全クリエイターをトラッキングする
ここで多くの施策が崩れます。同じ Traackr の調査では、マーケターの 56% がスプレッドシートでシーディングを管理しており、スプレッドシートは動画を見てくれません。クリエイターごとに把握すべきことは次のとおりです。
- 発送日と到着日。
- 投稿したか、どのプラットフォームで、いつか。
- 動画に商品が実際に映っているか、タグ付けしたか。
- その投稿の 7 日後の再生数。
落とし穴は、多くのクリエイターがタグなしで商品を見せるため、自社のタグやメンションで検索しても見つからないことです。シーディングした全クリエイターの新しい動画をすべて見るか、それを代わりに行うツールを使いましょう。Pozto は、クリエイターが投稿する新しい TikTok、Reels、Shorts をすべてチェックし、タグの有無にかかわらず、フレーム、音声、キャプションから商品を見つけます。手作業で始めるなら、無料のインフルエンサートラッキング用スプレッドシートに必要な列がそろっています。
6. フォローは一度だけ、やさしく
ギフトは契約ではないので、投稿を迫ると関係が損なわれます。到着から 2 週間ほどで一度だけ、やさしく様子をうかがうのが普通です。届いたか、気に入ってもらえたか。タグなしで投稿してくれていたなら、お礼とともにタグ付けをやんわりお願いすれば、たいていうまくいきます。詳しくはギフト先クリエイターが投稿しないときをご覧ください。
7. その波にかかったコストを測る
到着から 30 日ほどで波を締め、4 つの数字を出しましょう。
| 指標 | 計算方法 | 例 |
|---|---|---|
| 投稿率 | 投稿したクリエイター数 ÷ キットを受け取ったクリエイター数 | 40 名中 12 名 = 30% |
| 投稿単価 | キットと送料の総額 ÷ 投稿数 | $1,400 ÷ 12 = $117 |
| 再生数 | 商品が映っている投稿の 7 日後の再生数 | 184,000 |
| 1,000 再生あたりのコスト | 総額 ÷ 再生数 × 1,000 | $7.61 |
最も重要なレバーは投稿率です。同じコストなら、投稿率が 2 倍になれば投稿単価は半分になります。商品シーディング ROI 計算ツールで試してみてください。経営陣から金額を求められたら、EMV で再生数とエンゲージメントを推定メディア価値に換算できます。使った単価は必ず明記しましょう。
8. 改善を繰り返す:終了、継続、有償依頼
次の発送の前に、波を 3 つのグループに分けましょう。
- 有償依頼。頼まれずに投稿し、商品がはっきり映っていて、再生数も良かったクリエイター。有償コラボやアフィリエイトを提案しましょう。
- 継続。投稿した、あるいはあと一歩だったクリエイター。次の新商品も送りましょう。
- 終了。2 回送っても投稿しなかったクリエイター。悪く思う必要はありません。今後の波から外しましょう。
そして次の波では、クリエイターの構成、キット、メッセージ、タイミングのどれかひとつを変えます。一度にひとつずつ変えれば、何が投稿率を動かしたかがわかります。
商品シーディングの事例
効果的な 3 つのパターンを、一般化して紹介します。
- スキンケアの新商品発売。すでにルーティン動画を投稿しているマイクロクリエイターに、発売の 3 週間前に届くよう 60 個のキットを送付。メッセージは添えて、ブリーフはなし。目標はコンテンツの量で、優れた動画はのちに有償広告に活用します。
- アンバサダーを発掘するサプリメントブランド。ひとつのニッチのクリエイターに、毎月 20 名ずつの小さな波で送付。頼まれずに 2 回投稿した人には、アフィリエイトを提案します。
- 再入荷のタイミング。前回投稿してくれたクリエイターに主力商品を再送し、再入荷メールのタイミングに合わせて、特定の 1 週間に投稿を集中させます。
継続的な施策として運用する全体像はインフルエンサーシーディングをご覧ください。Pozto での商品シーディングの扱い方もご覧いただけます。
よくある質問
商品シーディングとはどういう意味ですか?
有償の投稿を合意せずに、クリエイターへ商品を無料で送り、気に入ってシェアしてもらえることを期待する手法です。有償コンテンツより安く済みますが、投稿は保証されません。
商品シーディングの投稿率は、どのくらいなら良いのですか?
相性やカテゴリーによって大きく異なります。Traackr の 2023 年の調査では、マーケターの 61% が「ギフトを受け取ったクリエイターのうち、投稿するのは半数未満」と回答しています。業界の数字を追うよりも、自社の投稿率を波ごとに記録し、波どうしを比べましょう。
一度に何名のクリエイターにシーディングすべきですか?
20〜50 名ずつの波がうまくいきます。傾向を見るには十分な規模で、次の波の前にキット、メッセージ、クリエイターの構成を変えられる程度の規模です。
ギフトによる投稿には開示が必要ですか?
米国では必要です。FTC は無償の商品提供を、クリエイターが開示すべき「重要なつながり」とみなしています。添えるメッセージで、クリエイターにやさしく伝えましょう。
シーディングしたクリエイターの投稿は、どのくらい待つべきですか?
投稿される場合、その多くは到着から 2〜4 週間以内に上がります。各波は 30 日ほどで締め、遅れて上がる投稿にも気を配りましょう。