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健康食品・化粧品のクリエイター投稿:薬機法と健康増進法のルール

日本では、健康食品の投稿で「治る」「予防できる」はもちろん、「疲れが取れる」とうたうだけでも、その食品は無承認の医薬品として扱われ、広告すること自体が犯罪になります。法律の条文は「何人も」で始まるため、投稿した人にも及びます。そして「個人の感想です」と書き添えても、結論は変わりません。

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このページは一般的な情報であり、法的助言ではありません。薬機法と健康増進法の条文(e-Gov)、厚生労働省の通知、消費者庁の留意事項と措置命令を 2026 年 10 月 28 日に確認して要約したもので、それぞれへのリンクを付けています。個別のキャンペーンについては、日本の弁護士にご相談ください。ステマ規制については別のガイドで解説しています。

ルールの要点

  • 医薬品的な効能効果をうたうと、食品が無承認医薬品になります。 病気の治療や予防、身体の増強(「疲労回復」「免疫力を高める」)をうたって広告した健康食品は、医薬品として扱われます。承認されていない医薬品の広告は禁止されています。
  • 「何人も」は、誰でもという意味です。 薬機法の広告規制も、健康増進法の誇大表示の禁止も、販売者ではなく「何人も」で始まります。
  • 打消し表示は役に立ちません。 消費者庁は、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」と書いても、虚偽・誇大かどうかの判断には影響しないとしています。
  • 依頼したレビューを一般ユーザーの声として見せるのは問題です。 消費者庁自身が挙げる例は、有償・無償を問わず好意的に書くよう特に依頼したレビューを、一般ユーザーの体験談のように見せることです。
  • 機能性表示食品と化粧品には決まった範囲があります。 機能性表示食品が表示できるのは、届け出た内容だけです。化粧品がうたえるのは、定められた 56 の効能効果だけです。

適用される法律

法律内容罰則出典
薬機法 第 66 条第 1 項何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の効能・効果について、明示的か暗示的かを問わず、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、流布してはなりません。第 66 条第 2 項:医師その他の者が保証したと誤解されるおそれのある記事も同様です。2 年以下の拘禁刑もしくは 200 万円以下の罰金、またはその併科(第 85 条)。2021 年 8 月 1 日からは、広告主に対して、対象商品の売上額の 4.5% の課徴金の納付を命じることができます。e-Gov
薬機法 第 68 条何人も、承認を受けていない医薬品の名称、効能・効果、性能を広告してはなりません。2 年以下の拘禁刑もしくは 200 万円以下の罰金、またはその併科(第 85 条)。e-Gov
健康増進法 第 65 条第 1 項何人も、食品の健康保持増進効果等について、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させる表示をしてはなりません。勧告、続いて命令。命令に違反した場合は 6 か月以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金(第 71 条)。e-Gov
景品表示法事業者による不当表示。2023 年 10 月 1 日からはステマ規制も含みます。事業者に対する措置命令と課徴金。当社のガイド
2026 年 10 月 28 日に確認。厚生労働省の医薬品等適正広告基準は、ウェブサイトやソーシャル・ネットワーキング・サービスを含むすべての媒体の広告が対象だとしています。

健康食品が「医薬品」になるとき

厚生労働省の医薬品の範囲に関する基準は、製品の目的、効能効果、用法用量、販売方法や説明の仕方(インターネット上の広告を含む)から、その製品が医薬品にあたるかを判断します。食品を医薬品のように見せる効能効果の表現は、次の 3 種類です。

  • 疾病の治療・予防:「ガンがよくなる」「便秘がなおる」のように、病気を治す・防ぐとうたうもの。
  • 身体の増強:「疲労回復」「体力増強」「老化防止」「若返り」など。栄養補給や健康維持に関する表現は、明示された例外です。
  • 暗示的なもの:記事、医師の談話、経験談などを通じて効果をほのめかすもの。クリエイターの「飲み始めてから…」も、これにあたることがあります。

厚生労働省は、顧客を誘引する意図が明確であること、特定の商品名が明らかにされていること、一般人が認知できる状態であることの 3 つを満たすものを広告とみなします(1998 年の通知 医薬監第148号)。特定の商品についてのクリエイターの投稿は、3 つすべてを満たします。厚生労働省のインターネット広告に関する Q&A によれば、ログインが必要なページでも結論は変わりません。

表現一般の健康食品の場合
「便秘改善」「認知症予防」「花粉症に効果あり」医薬品的な効能効果:医薬品としての承認がなければ表示できません。
「疲労回復」「免疫力を高める」「アンチエイジング」「脂肪燃焼を促進」「血液サラサラ」「デトックス」消費者庁が、健康食品における医薬品的な効能効果の例として挙げています。
「腸活」「妊活」「ほね元気」のように効果をほのめかす名称消費者庁が、医薬品的な効能効果を暗示するものの例として挙げています。
栄養補給や健康維持(「栄養補給」「健康維持」)厚生労働省によれば、特定の作用をうたわない限り、医薬品的な効能効果にはあたりません。
末尾に「個人の感想です」を追加何も変わりません。その表示がないものとして判断されます。
出典:消費者庁の健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項(2022 年 12 月 5 日改定)、厚生労働省の医薬品の範囲に関する基準。

責任を負うのは誰か:ブランド、そして場合によってはクリエイター

景品表示法のステマ規制が対象とするのは事業者だけです。健康に関する表示の法律は、それより範囲が広くなっています。消費者庁の留意事項は、健康増進法第 65 条は「何人も」に適用され、製造業者や販売業者に限られないとしています。さらに、次のようにも述べています。

  • ブランドはアフィリエイターの表示にも責任を負います。 具体的な表現を知らなかったとしても、表示内容をアフィリエイターに任せたブランドは、表示の責任を負う事業者として扱われます。
  • アフィリエイターも責任を問われることがあります。 健康増進法では、広告の内容の決定に関与した場合です。消費者庁が名指ししているのはアフィリエイターですが、商品で対価を受け取るクリエイターも似た立場にあります。
  • ステマ型のレビューも名指しされています。 口コミサイトや著名人のブログで、広告であることを隠した広告は、虚偽誇大表示に「該当するおそれがあります」。

薬機法の広告規制も「何人も」で始まるため、条文の文言どおりに読めば、医薬品的な効能効果を投稿したクリエイターも対象になります。インフルエンサーを名指しした厚生労働省の文書は見つからず、個人のクリエイターに対する命令や逮捕の一次資料も見つかりませんでした。厚生労働省は、医薬品的な効能効果をうたって無承認医薬品を広告・販売した多くの人が警察に逮捕されているとしています。

機能性表示食品

機能性表示食品が表示できるのは、事業者が消費者庁に届け出た機能だけで、表現も届け出たとおりです(「機能性関与成分△△には、○○する機能があることが報告されています」)。国はこれらの表示を審査しないため、責任は事業者にあります。消費者庁の事後チェック指針と事業者向けのリーフレットは、次のような表示を認めていません。

  • 届け出た機能を超える表示や、その一部だけを切り取って強調する表示。
  • 「診断」「予防」「治療」などの医学的な表現。
  • 特定の疾病を持つ人(「糖尿病の方へ」)、未成年者、妊産婦・授乳婦に向けた表示。
  • 肉体改造、増毛、美白など、意図的な健康の増強をうたう表示。
  • 届け出た表示を超える効果をほのめかす言葉や画像。

2024 年の紅麹問題を受けて、2024 年 9 月 1 日から機能性表示食品の制度が変わりました。事業者は健康被害の疑いを速やかに報告しなければならず、サプリメント形状の製品は GMP に基づく製造に移行します。広告のルールが加わったわけではありませんが、このカテゴリーがいかに厳しく見られているかが分かります。特定保健用食品(トクホ)が表示できるのは、許可された表示だけです。

化粧品:56 の効能効果

化粧品が広告できるのは、定められた 56 の効能効果だけです。頭皮・毛髪を清浄にすることから、所定の試験が必要な「乾燥による小ジワを目立たなくする」まであります。メーキャップ効果(「小じわを目立たなく見せる」)や使用感(「清涼感を与える」)は、事実であれば表示できます。化粧品について、医薬品等適正広告基準が体験談を認めているのは、使用感を説明する場合だけです。「○○大学との共同研究」は、化粧品では認められていません。この範囲を超えるものは、第 66 条の虚偽・誇大広告になります。

これまでのサプリメントへの措置命令

サプリメントの製造販売業者に対する 2 件のステマ規制の措置命令は、どちらもギフトした商品の Instagram 投稿をブランドが転用したことが発端でした。

  • 大正製薬(2024 年 11 月 13 日)、サプリメント「NMN taisho」について:商品の無償提供と対価の支払いと引き換えに Instagram への投稿を依頼し、依頼したことを示さずに、その抜粋を自社の通販サイトに掲載していました。消費者庁の措置命令。
  • ロート製薬(2025 年 3 月 25 日)、サプリメント「ロートV5アクトビジョンa」について:モニターサイトを通じて商品を無償で提供し、投稿は同社の指示に沿ったもので、その画像を「“わたしも”使っています from Instagram」として自社サイトに掲載していました。消費者庁の措置命令。

どちらの事案でも、違反とされたのは、ギフトした商品の投稿を表示なしで掲載したブランド自身のウェブサイトでした。ステマ規制について詳しくは、日本のステマ規制のガイドをご覧ください。

ブランドがすべきこと

  1. 01

    商品と一緒に、使ってよい表現を送る

    機能性表示食品なら、届け出た表示を一字一句そのまま。一般の健康食品なら、栄養補給と健康維持だけ。化粧品なら、定められた効能効果と使用感。言ってはいけない言葉もはっきり伝えましょう:治る、予防、疲労回復、免疫力。

  2. 02

    打消し表示に頼らない

    「個人の感想です」と書いても、医薬品的な効能効果の表示が許されるわけではないと、クリエイターに伝えましょう。

  3. 03

    広告であることの表示を依頼する

    ブランドが内容に関与したギフト投稿には、ステマ規制に基づき「広告」「PR」「プロモーション」の表示が必要です。

  4. 04

    投稿したかどうかだけでなく、何を言ったかを確認する

    効能効果の表現は、ナレーションや「ビフォーアフター」の話に潜んでいます。タグの有無にかかわらず、商品が映っているすべての投稿を確認し、一線を越えたものには修正を依頼しましょう。

  5. 05

    投稿を転用するなら、表示ごと

    依頼したことを示さずにギフト投稿を自社サイトに掲載することこそ、大正製薬とロート製薬が措置命令を受けた理由です。

Pozto でできること

Pozto は、商品をギフトしたクリエイターの TikTok、Instagram リール、YouTube ショートを見守り、タグの有無にかかわらず、商品が映っている投稿を見つけます。各投稿のキャプションを確認でき、Starter 以上では、ブランド名や商品名が口にされた箇所を、クリエイターの発言と秒数つきですべて確認できます。「疲れが取れた」や「肌荒れが治った」が出てくるのは、まさにそこです。

Pozto は効能効果の表示を判断しません。 確認すべきすべての投稿を、チームのための 1 つのリストにまとめます。PR 表示の判定も行います。主に日本語で書かれた投稿は日本のルールで判定され、「広告」「宣伝」「PR」「プロモーション」が表示として認められます。クリエイター 10 人まで無料で始められます。サプリメントブランド向けの Pozto もご覧ください。

よくある質問

インフルエンサーが、ギフトされたサプリで「疲れが取れる」と言ってもよいですか?

一般の健康食品では認められません。厚生労働省は「疲労回復」を医薬品的な効能効果に挙げており、消費者庁も健康食品が表示できない表現に含めています。承認されていない医薬品の広告は、薬機法第 68 条で禁止されています。

「個人の感想です」と書けば、表示は許されますか?

いいえ。消費者庁は、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」といった打消し表示は、虚偽・誇大かどうかの判断に影響しないとしています。

ブランドだけでなく、クリエイターも責任を問われますか?

その可能性があります。薬機法の広告規制と健康増進法第 65 条は「何人も」で始まり、消費者庁は、内容の決定に関与したアフィリエイターも対象になり得るとしています。ステマ規制が適用されるのは事業者だけです。

機能性表示食品について、クリエイターは何を言えますか?

消費者庁に届け出た機能だけを、届け出たとおりの表現で言えます。それを超える表示、一部だけを強調する表示、「予防」のような医学的な表現は、法律に違反するおそれがあります。

化粧品について、クリエイターは何を言えますか?

定められた 56 の効能効果、「小じわを目立たなく見せる」のようなメーキャップ効果、そして使用感です。化粧品の体験談で認められるのは、使用感の説明だけです。